【7日目】韓国 DMZ/ソウル 韓国と北朝鮮の間をゆく【2019.1.5】
リアルタイムでは台湾高雄から台北桃園空港に移動し、フィリピンセブに着いたOEです。
台湾はとても良い場所で、4日間では足りませんでした。また、中々出来ない貴重な経験もすることが出来ました。ブログが追いついたら、まとめて書こうと思います。
ブログは韓国ソウルからです。
今回の韓国旅行の最大の目的の一つが、韓国と北朝鮮の国境を訪れる事です。
正確には、国境では無く軍事境界線で、1951年に朝鮮戦争が終結した際の停戦ラインです。この停戦ラインが韓国と北朝鮮の実質的な国境となっております。
更にこの軍事境界線の南北約2kmがDMZ(demilitarized zone, 非武装中立地帯)と呼ばれており、立ち入りが制限されております。
(画像はWikipediaより引用 朝鮮戦争休戦協定 - Wikipedia)
元々は板門店とDMZ両方のツアーに参加する予定でした。板門店はニュースでよく見る小さな建物で、韓国と北朝鮮の共同警備区域(JSA, Joint Security Area)内にあります。昨年は南北首脳会談も行われた場所ですね。板門店ツアーでは板門店の中にも立ち寄ることが出来、板門店内に軍事境界線が存在するため、建物の北側に行けば北朝鮮に入ることになります。ただ、板門店立ち入り制限が12月下旬よりスタートしたため、ツアーは中止に。その為、今回はDMZツアーのみ参加致しました。
ツアーはソウルの中心からスタート。バスに乗り、まずイムジン河の方へ向かいます。
今回は日本語の話せるガイドさんのツアーに致しました。ガイドさんは南北は近づいたり離れたりだが、今は南北統一に向かって動いていること、板門店ツアーが中止なのは南北が緊張している為では無く、もっと板門店を開かれた形にする為であること等を、軽快な語り口で話してくださいました。また、その話しぶりには南北統一に対しての思いを感じました。
そうしている内に、バスはイムジン河に差し掛かりました。
実はここは凄い場所で、こんな場所です↓
はい、軍事境界線の間近です。対岸は北朝鮮です。このような場所に高速道路が走っていることに驚きました。よくこの軍事境界線は「38度線」と呼ばれますが、実際は川などの地形によりだいぶうねった形になっています。また、イムジン河全体が軍事境界線になっている訳でもなく、全域が韓国になっている流域もある場所です。その中で、先ほどの場所はイムジン河自体が軍事境界線になっている為、高速道路から北朝鮮が見える訳です。私は韓国と北朝鮮は近くて遠い場所の印象を持っていた為、この光景に驚きました。ガイドさん曰く「北朝鮮に近いけど、こんなこと気にしてたら生活できないよ」とのことでした。
そうこうしていると、臨津閣(イムジンガク)展望台に着きました。ここまでが、特別な許可無しに軍事境界線に近づける限界のエリアになります。
ここからイムジン河がきれいに見渡せます。
橋の下は河原のように見えますが、氷です。この日は約マイナス10度になっており、その激しい寒さによって、氷がまるで河川敷の石のように見えています。
ちなみに、この橋の向こうは北朝鮮ではなくまだ韓国です。現地では北朝鮮を想い、正月や年末に訪れる方が多いそうです。
続いてバスは更に北朝鮮に近づいていきます。途中韓国軍のパスポートチェックの後、イムジン河を渡っていきます。パスポートチェックの写真は撮影不可でしたが、担当する韓国人兵士はなかなかのイケメンでした。韓国は徴兵制があり、いわゆる韓流アイドルもその対象になるそうです。特にこういった対外的な顔になる地域に、見た目も良い兵士を置いているのではないかと思います。ガイドさんは「ここを通るのがツアー最大の楽しみ」と、テンションMAXでした。
高速走行を防ぐためのバリケードを抜けていきます。
氷の張ったイムジン河です。
板門店(パンムンジョム)まで8km。
ん?
ん??平壌まで205km??そうです。この道は平壌まで続いています。
この道はずっと昔からあった道で、朝鮮戦争によって自由に通れなくなった道なのです。こういった所にも、南北分断の歴史を感じました。
次にやってきたのは、都羅山(トラサン)駅です。
この都羅山駅は韓国鉄道京義線の駅で、本来はソウル駅から北朝鮮の新義州(中国との国境都市)を繋ぐ鉄道の駅です。南北分断により、韓国側からはこの駅までで線路も分断されてしまいました。
その後2000年の南北首脳会談で北朝鮮側との再接続を決定、2007年には貨物列車の運行もされましたが、2008年以降は列車の運行はされていません。
今現在運行する列車は、韓国側からの都羅山駅止まりのDMZトレインと呼ばれる列車のみです。
この場所は、2002年に韓国金大中元大統領と、米国ブッシュ(息子)元大統領が演説した場所であり、南北統一祈願の象徴的な場所です。駅舎の中には両者のスピーチ内容と、サインがされた枕木が飾ってあります。
入場券を買うことで、この駅のホームに入ることが出来ます。
入場券と記念スタンプです(1000ウォン、約100円)。
国際線機能も想定している為、大きな駅です。
一番線ホームには「平壌←→ソウル」と書いてある駅表があります。
この線路の先は北朝鮮につながっています。
また、ホームにはこんな壮大な夢が掲げられています。
シベリア鉄道を経由して、韓国からヨーロッパまで一繋ぎになる鉄道計画です。いずれは実現できるような世の中を願います。
続いて、都羅展望台に向かいます。
この展望台からは様々な景色が見られます。
まずは非武装地帯の南北にある、宣伝村です。
左右のポールを拡大すると、こうなっています。
両国の国旗が立っています。この宣伝村は、両国が自国の宣伝の為に立てた村と言われています。かつて北朝鮮が大音量でプロバガンダを放送していたのもこの村です。現在韓国側の村は非武装地帯の韓国軍兵士たちの食糧を受給するための村になっています。かつては両国の国旗の高さを競い合っていた時代もあったそうです。
開城(ケソン)工業団地です。韓国企業が操業していましたが、ミサイル実験により2016年以降は引き上げています。
板門店です。
今回色々と写真を撮ることが出来ましたが、過去はもっと制限が多かったようです。これも南北融和ムードの影響でしょうか。
ツアーの最後は、第三トンネルです。始めに、このトンネルの歴史を示す映像を見せてもらいました。
なかなかこの映像が迫力があって凄かったです。このトンネルは、停戦後に北朝鮮がソウルに攻撃を仕掛ける為に掘ったトンネルで、合計4つ見つかっています。このうちの最もソウルの近くで見つかったのが、第三トンネルとのことでした。
いよいよトンネルに入ったのですが、トンネル内は撮影禁止でした。中は350メートルの観光用トンネルを抜けたのち、北朝鮮が掘ったトンネルになる構造でした。中は意外と暖かかったですが、縦幅が低く、硬い岩盤を掘り進んでいった様子が分かりました。このトンネルを掘っていった、北朝鮮軍兵士達の苦難が見えました。
第三トンネルは思った以上に観光地化されていました。これも北朝鮮との融和ムードとも関係があるのでしょうか?板門店もこうなっていくのでしょうか?いずれはお伺いしたいものです。
ツアー終了後、ツアーで一緒になった方と明洞で石焼ビビンバを頂きました。軍事境界線付近は非常に冷えていたので、全身が温まりました。
更にこの後、明洞の町に繰り出しました。
更に夜も明洞に繰り出し、食い漁ります。
大いに考え、大いに食した充実した一日でした。
↓ブログ村ランキングに登録してみました。
↑クリックして頂ければ嬉しいです。